読みながら一番出た言葉は「可愛い~」でしたが、それだと身も蓋も無いのでちょっとつらつらと良かったとこ・思うとこなど書きます。
まず「ああ、コロナ禍だったんだよなぁ」と思って、あの期間のやるせない気持ちを懐かしんで、また同時につらいだけじゃなく、沢山の気付きを得た数年だったよねぇと。
あの期間にMIU404のロケをしていた…って思うと、私がMIU404に出会っていなかったあの期間もMIU404スタッフ&キャストの世界は動いていた…って言う当たり前なのにとてつもない尊さを感じて嬉しくなったりしました。
帯にもなっている「生きるのは辛い。本当に。だけど、辛くないは、生きるの中にしかない。」と言う言葉の重み、これが源さんの凄さじゃないかなと。彼からしか出て来ない言葉。
他にも名言って思う言葉の表現が多いんですが、難しい言葉選びとかでもなく、読みやすく読後感がすっきりしているけど、温かみのある言葉を綴る方だなぁと。
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文中に出て来る「妻」のワードに浮足立つ私。(ご結婚された事自体は知ってたけど)
P142からの『食卓』の回、新垣さんの源さんへの返事で一番可愛くて好きー!って思ったのが「おお」でした。そこからの「いいね」も良かった。飾りっ気のない、心からの会話って感じで良かった。
その会話の一連でずっと自分の癖?歩き回りたくなる事への「いけない事」と言う思い込みから一歩踏み込んだ「何故?」→「嬉しいから」って源さんが答えに導かれる様にして幼い頃からの自分の言動の深層心理に気付いて行く所が凄く良かった。
相手が新垣さんでなければ出なかった答えではないかなと。今の新垣さんに源さんの幼い頃を救って貰う様な。そんな不思議な感覚にもなった。
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好きな章、もう一つ。
P202からの『言葉の排泄』。
とても有益で良い話でした。対面だとついつい喋り過ぎちゃうし、ネット上でも行き過ぎた言葉使っちゃったりして思ってたよりも大げさに別の人に刺さったりしがちだし。
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P232の『いのちの車窓から』(ラスト章)で衝撃的だったんですが、源さんの書かれてる、「何も分からなくなる」の感覚、私もたまにあるので。同じ感覚を持っている人が居たって言う事実にびっくりしました。
決まった周期も無く、突然ふとした瞬間に来るあの感覚が文章になって綴られてたことに驚いた。それは本当に座ってる時、友だちと喋ってる時、普通に歩いている時、特に何も条件がなくて、突然来て、ゆっくりと抜けていく感じなんだけど、今まで数人にその話をした事があったんだけど、誰にも理解されなくて「病気かな?」って言われた程度だったので、私だけなのかと思ってた。笑
そうなっている時の、「よそ者の気分」…も凄く分かるなぁと。自分は自分だけど、どこか別の場所で自分を操縦している様な、決められた枠の中で活動しているから、何が何だか分からないのに、それまでしていた動作は続けられる&会話も相手が不信に思わない程度に出来る感覚。脳は忙しいけど空回りしている様な感じ。
私の場合、その発作?みたいなのは5分は続かなくて、でもそれが終わるとどっと疲れるので、多分脳がバグって一瞬フリーズしているんじゃないかと思ってる(長年生きててそう結論づけた・笑)。
ラストにめちゃくちゃ共感する内容が綴られてた事によって割と衝撃的な1冊でした。
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そして生々しい感情をこんなにも文章に出来る源さん、凄いなと。
読み終わりが寂しくてしょうがなかったんですが、実は前作を読んでいないので、そのうち読みます。
作中に出て来たオススメ映画や本も。
楽しみがまた増えました。